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12月に入って、通常業務に加えお歳暮商品やせんぎり大根の買い付け、新商品開発の大詰め、通販商品のセールなどなど仕事が重なって太る暇もないくらい。
自宅に持ち帰った仕事が終わって、ホット一息お茶をすすり、嫁さんと手は繋がないが
深夜の買い物。
スーパーは、ぐるぐる回っていて楽しい。
きっと、入口から左回りに生鮮、肉、魚と順に回遊するお店側の想定とは外れた動きをしてるはず。
子供がうろちょろして、こっそりお母さんの買い物かごにお菓子を忍ばせる行動に近い動きだろう。
いつものようにバイヤーか?と疑われるような鋭い視線で商品を眺めていると、パンのコーナーにマロンデニッシュなるものがあった。
まるく薄っぺらいデニッシュ生地の真ん中に、栗の甘そうな餡が細く碁盤目のようにたっぷりと陣取っている。
頭の中は、一口目のデニッシュの土手を食べた後のここからマロンの部分を贅沢にほおばる2口目以降のシーンを思い描いていた。
そんな妄想している旦那が後ろから迫っていることも気付かず、のうてんきに買い物をする嫁さんの背後から追い越しざまにスルリとデニッシュマロンをかごに投下。
120円でほぼ満足な気分のひとてま店長は、「はやく帰ろう!」とだだをこねる子供と同じ心理状態。
重くて持ちきれないほどの買い物を済ませ、いそいそと帰宅。
その日は、楽しみは後に取っておく気分で、マロンデニッシュに手をつけずに就寝。
翌朝、熟睡から目覚め、ダイニングに顔を出し、新聞を片手にいつもの席に座ろうとしたその瞬間。半分眠そうな感覚が覚醒するように眼を見開いてなんとも言えない感情がこみあげてきた。
そこには、あの2口目の思いっきりマロンの領域を贅沢にもほおばるあのシーンをじいがやっていたのだ。
「じい、おれんとやが!」(じいちゃん、ぼくのだよ!)と強い口調で問い詰めると、「お前がはよおきんかいよ!」(あなたが、早く起きないからだよ!)と上から口調で諭された。
込み上げてくる無念を抑えながらも、「何時に起きたとや!」と聞くと「12時半!」と即答。
「参りました。」と言うしかない。
12時半は、起きたというより、眠れなかったと言った方が正しいはずだが、前向きな思考のじいは、誰よりも早く起きたと勘違いしている。
許しましょう。アーメン。
3人の息子たちが、このやり取りを手本に今後の人生を歩んで欲しいものです。
